Machikatsu WASEDA MAP

Illustrations

client: TOKYO PISTOL

東京の早稲田エリアの魅力を伝えるその名も「早稲田MAP」のイラストを描きました。

この早稲田MAPは、単なるマップとしてだけでなく、ともに早稲田大学の卒業生であることから、ライムスター宇多丸さんと土岐麻子さんの対談あり、また早稲田にある土地の名前の由来のコラムや名画座の館長さんにインタビューがあったりと、読み物としても満足できる仕上がりに。配布当初からありがたいことにたくさんの方に手にとっていただき大変好評とのことで嬉しく思います。

お仕事を依頼してくださったのは東京ピストルの裏谷さんという、前職でもお仕事をともにさせていただいていた編集者さんです。曰く、早稲田は「昔からの老舗があり、大学があるから平和で、歴史と趣があって文化的で、とはいえ学生街だから物価が安く、アクセスが良い暮らしやすい街」で、そんな街に親しみや愛着を持っていただけるような絵を描くことに。今回のお仕事のイメージに合う音楽はありませんか?とお伺いすると、ことに何か音楽というよりはAMのラジオ番組のような雰囲気が合う、とお返事をいただきました。

当時わたしはNHK AMで放送されていた生物学者の本川達雄先生の「ナマコに学ぶスローライフ」という対談番組を繰り返し聞いていました。控えめに、しかしユーモラスな語り口で世界の秘密を打ち明けてくれるその番組は、わたしのイメージする早稲田の住人と合致するものがあり、作業中はもっぱらこの番組を聞いていました。

完成したマップをどういう方に受け取っていただきたいかお伺いしたところ、前職の先輩おふたりのお名前を挙げてもらいました。知的で穏やかでチャーミングな女性たちなのですが、その方がこの地図を見ながら早稲田のローカルな文化や魅力を楽しんでいる姿を思い浮かべて作業を進めました。ディティールを押さえつつ、デフォルメした建物や人物を描けたのはこうしたやりとりやヒントがあったからでした。対話から描き方を探ることができるのは、お仕事のたのしみと醍醐味のひとつです。

完成した地図を先輩にお渡ししたところ、とても喜んでいただけて嬉しかったです。

大切な人をよろこびでつなげていくことができて、ほんとうに光栄でした。うらたにさん、いつも素敵なお仕事をありがとうございます。

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